July 14 Ravinia Picnic & Concert
音楽の杜 ラヴィニアで
「うーん。。。」、曇り空を仰ぎながら、悩ましい葛藤。お天気予報では雨の確率は50/50。
野外コンサートは、お天気に大きく左右されるのが常ですが、今回ほど、実施すべきか否かと悩んだ事はありませんでした。
過去の体験を振り返りながら、”If it rains…”と、その場合の対策を反芻するーーー如何にして食べ物を手早く片付け、どこに雨宿りするか。。。
逡巡した結果、夏の夕立は必ず止む、また大雨警報も出ていないので、「予定通り、やりましょう!」と参加メンバーにメールを送る。
ラヴィニアへ向かう途中、車の中から青空が広がっていくのを見たときは、心底ほっとしたものです。
これも日頃の皆さんの心がけが良いからでしょうか。。。?!
2010年にスタートしたこのイベントも今年で8回目となりました。参加者の方の中には常連もいて、場所取りからテーブルのセッティングまで、テキパキと段取りよく運んで、
さぁ、乾杯です?
ワイングラスや缶ビールを片手に、テーブルの上にずらりと並んだポットラックのお料理を口に運びながら、賑やかに和やかに談笑。
今回は、Yさんの同僚の方、お二人をゲストに迎え、そして数ヶ月前に日本へ帰国され当地で夏の休暇を楽しむMさんも加わって、一座の雰囲気も盛り上がる。
やがて、私たちの周りの空間も隙間のないように聴衆で埋め尽くされた頃、シカゴ交響楽団の演奏の開始を告げるファンファーレが鳴る。
<本日のプログラム>
Leonarad Bernstein(1918-90) Chichester Psalms (チチェスター詩篇)*
Ludwig van Beethoven (1770-1827) Symphony No. 9 (交響曲第九番 「合唱付き」)
第四楽章、”Ode to Joy (歓喜の歌)”は、ゲーテと並ぶドイツ古典主義の代表者シラーの詩 「An die Freude(歓喜に寄す)」が使われていますが、バス·バリトン歌手が独唱で歌う冒頭の三行はベートーヴェンが加筆したものです。
O Freunde, nicht diese Töne!
Sondern laßt uns angenehmere anstimmen,
und freudenvollere.おお友よ、このような旋律ではない!
もっと心地よいものを歌おうではないか
もっと喜びに満ち溢れるものを
ベルリンの壁の崩壊後、1989年12月25日にレナード·バーンスタイン指揮でコンサートが行われ、この時、“Freude”(歓喜)を“Freiheit”(自由)に置き換えて歌ったことは記憶に新しい。
第九は、特に日本では年末になると至る所で演奏され、私たちの耳に親しんだ楽曲です。でも、こうして全楽章をじっくりと聴く機会は滅多にありませんから、新たな感動と興奮に包まれて、私たちは夏の夜をそれぞれ家路へと向かいました。
お忙しい中をご出席くださいました参加者の皆さん、どうもありがとうございました! 素晴らしい音楽と楽しい時間を共有できまして、至福のひとときでした。
«一口メモ»
*Leonarad Bernstein(1918-90) Chichester Psalms (チチェスター詩篇)
1965年、チチェスターフェスティバルのためにチチェスター大聖堂の委託により作曲される。三楽章で構成され、旧約聖書の詩篇108、100(第一楽章)/23、2(第二楽章)/131(第三楽章)を基にヘブライ語で歌われている。
チチェスターは、英国ウェスト·サセックスの古都である。