シカゴ便り Chicago Cubs
? カブス絶好調 ワールドシリーズ制覇なるか
シカゴの人達はスポーツが大好きだ。シカゴのプロスポーツチームの中で一番歴史が古いのがMLBのシカゴ・カブス(1871年創設)。本拠地のリグレー・フィールドは全米でボストン・レッドソックスの本拠、フェンウェイ・パークに次いで古い(1914年開設)。その伝統チームが、なんと1908年から107年間もワールドシリーズで優勝していない!それが、今年はいよいよワールドシリーズ制覇が夢でなくなってきたのだ!シーズンの残り約1か月の時点(8月27日)でナショナルリーグ中地区において2位を14ゲーム引き離してダントツ1位!
シカゴは大阪と姉妹都市で、2つの都市は共通点が多い。そのひとつが「野球」。カブスと阪神タイガースは共通点が多い。どちらのスタジアムも歴史があって、甲子園は球場の外に、リグレーは外野フェンスにツタがある。どちらもファンがメチャ熱狂的でクレイジー!(笑)チームが弱くて、長年優勝できなくても球場はいつも満員。どちらも「呪い」がある。カブスは「ビリー・ゴートの呪い(末尾参照)」、タイガースは「カーネル・サンダースの呪い」。
近年着々とワールドシリーズ優勝に近づいてきた。2012年にはかつてレッドソックスで松坂大輔投手を入団させた敏腕テオ・エプスタインをゼネラルマネジャー(GM)に据え、2015年にはタンパベイ・レイズを優勝させた名将ジョン・マッドン監督を招聘。投手では昨年のサイ・ヤング賞投手、2年連続ノーヒットノーランをやってのけた剛腕ジェイク・アリエッタ、野手では今年ホームラン王を狙う昨年の新人王でイケメンのクリス・ブライアントなど、スター選手がチームを牽引する。
実は、昨年は優勝するのではないかという大きな期待があった。なぜなら、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2」で2015年にカブスが優勝するというシーンがあったから!
しかし、カブスはワイルドカードでプレーオフに進出し、パイレーツを破り、ナショナルリーグ優勝をかけてメッツと対戦するところまでいったものの、あっさり全敗して映画の予言は外れた。
? カブスファンの100年越しの悲願
しかし、今年はダントツで地区優勝し、本当にワールドシリーズ制覇できるかも!?ファンの期待は日に日に高まる。阪神タイガースが1985年にバース、掛布、岡田を擁して創設50年で初めて日本シリーズ制覇したときのバカ騒ぎは世界中に報道された。カーネル・サンダース人形がバースに似てるというのでファンに胴上げされて道頓堀川に投げ込まれ、「呪い」が生まれたのもこのとき。(後に、朝日放送「探偵ナイトスクープ」が川底から発見)
しかし、カブスは50年どころか、107年も優勝してない!もし優勝したら、果たしてシカゴのクレイジーなカブス・ファンがどんなバカ騒ぎを起こすのか?! 楽しみやけど恐ろしい(笑)わてもライフジャケット買って、シカゴ川に飛び込む準備してまっせ~!!GO, GO CUBS!!!
(寄稿及び写真提供)同志社大学文学部1988年卒業 曽根 一朗
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?ビリー•ゴートの呪い(The Curse of the Billy Goat)
1945年、リーグ優勝を果たしたカブスは、タイガースとのワールドシリーズに臨むも3勝4敗で敗れた。地元シカゴのバー、ビリー・ゴート・ターバン (Billy Goat Tavern) のオーナーは カブスのファンで山羊といつも一緒に応援に出かけていた。し かし、シリーズ第4戦目で山羊の入場が拒否された。理由は「臭い」だった。これに激怒したオーナーは「2度とこのリグレー・フィールドでワールドシリーズ がプレーされることはないだろう」と言い放って球場を後にした。それ以降、カブスはリーグ優勝・ワールドシリーズ出場を果たせないでいる。
〈 編集後記 〉
今、シカゴ·カブスが熱い視線を浴びている。万年下位に甘んじていたけれど、今年は開幕から好調な滑り出しでワールドシリーズ優勝も夢でないという。
そこで、この老舗チームの熱烈なファンであるシカゴのイチローこと、曽根一朗氏にカブスへのオマージュを書いて戴いた。どこか野球少年の面影を残す彼は、かって高校時代、野球部のキャプテンを務め、強肩強打俊足の一番バッター、ポジションはセンターを守り、しかもスイッチヒッターとして大活躍。『イチロー以前にイチロー』として高い評判でした。
私の厚かましいお願いを快く引き受けてくださり、激務の合間を縫って寄稿して下さいました曽根氏に心より御礼を申し上げます。