8/19/17 Ravinia Part II

8/19/17  Ravinia Part II

“The Lord of The Rings:  The Two Towers”

 感動の夏の宴 

I

8月19日土曜日、晩夏。夏の終わりを惜しむように陽光が降り注ぐ中、ラヴィニアのピクニック&コンサート•パート2のメンバーが次々と集まってくる。巨大なLawn Screenが設えられた芝生の一等席を確保してくれた小松師匠と時実さん。『どうもありがとうございます、』と二人を労いながら、幹事は、手慣れた動作でテーブルにクロスを広げ、花、そして寿司トレーを置く。眼前のお寿司を横目に、しばし歓談していると、ドリンク担当の山下会長が、「やあ、やあ、」と現れ、「お待たせしました〜、」と真理子さんとお母様のかよ子さんが続く。

さぁ、乾杯‼︎

乾いた喉をポップの効いたビールで潤しながら、校友会の仲間たちとの気楽な交流が繰り広げられる。本日のゲスト、かよ子さんは、同志社女子中学校高等学校から同志社大学へ進学された生え抜きの同志社人です。この素晴らしい先輩を囲んで、座は一段と華やぎと賑いを増す。

ピクニックも最高潮に達した頃、さぁ、記念撮影と、校友旗を広げていると、”I will take your picture~!”とお隣のグループより朗らかな声が飛んでくる。気軽に声を掛け合うところが、アメリカ人社会の良さである、とメンバー全員賛同し大いに感激する。

やがて、夕陽が沈み、広大な芝生が一面、大勢の人たちで埋め尽くされる頃、グラスがビールからワインへ変わり、巨大スクリーンを見上げながら、本日のプログラム、”The Lord of The Rings”(指輪物語)の第二部 ”The Two Towers”(二つの塔)の開幕を待つ…

 

II

忠誠、勇気、愛

このファンタジー小説、”The lord of The Rings”(指輪物語)は、英国の作家、言語学者であるJ.R.R. Tolkien(トールキン)により1937年から1949年の間に執筆され、三巻本として1954年と1955年に出版される。以来38ヶ国語に翻訳され、増版を重ね絶大な人気を得ている。

映画化は、Peter Jackson(ピーター·ジャクソン)監督が担当し、彼の祖国ニュージランドで全てのロケーションが行われ、1年半かけて三つの映画を同時に撮影。戦闘シーンにはコンピューター·グラフィックスが駆使される。

劇場公開は、2001年から2003年まで、各年ごとに一作ずつ提供されている:

第一部:  The Fellowship(旅の仲間)     2001年

第二部:  The Two Towers(二つの塔)   2002年

第三部:  The Return of The King(王の帰還)2003年

三部作の累計世界興行収入は29億1000万ドルに達し『スターウォーズ』三部作『ゴッドファーザー』三部作を超えて、世界で最も商業的に成功している。

トールキンの創造した地球上の架空世界、Mid-earth(中つ国)を舞台とし、そこには、人間、ホビット、エルフ、ドワーフ、オーク、トロルなど様々な種族が住む。主人公のホビット族¹であるフロド·バギンズは、義父より譲り受けた指輪が、悪の冥王サウロンがかって所有し、それには冥王の呪いが懸けられていることを知る。諸悪の根源、冥王サウロンを滅ぼすためには、その指輪をモルドール国の滅びの山の火口に投げ込まなければならない。フロドは、バギンズ邸の庭師であり友人のサムとモルドールへ向かう。この二人の危険な旅を軸に7人の仲間が加わって悪の勢力との戦いと冒険の物語が展開する。この波乱万丈なストリーに通底するのは、忠誠心、勇気、そして愛であり、多くの読者を感動させ魅了する所以である。

第三部作『王の帰還』は、アカデミー賞11部門を受賞し、『ベンハー』、『タイタニック』と並ぶ。尚、三部作全体のアカデミー賞獲得数は17となる。音楽はカナダの作曲家、Howard Shore(b.1946)が担当し、下記のアカデミー賞を受賞している。

2001年 アカデミー作曲賞 「旅の仲間」

2003年 アカデミー作曲賞 「王の帰還」

アカデミー歌曲賞 「王の帰還」”Into The West”

<あらすじ>

参照1:ホビット族: 身長60 – 121cmで、わずかに尖った耳をもつ。足裏の皮が厚く、毛に覆われているので、靴をはくことはない。人間より長寿で平均寿命100歳。エールを飲むことを好む。

 

III

巨大スクリーンの画面全体に映し出されるニュージーランドの美しい大自然に感嘆する。が、次々に勇猛な戦闘シーンが展開し、観衆から喚声と拍手が湧き起こる。まるでスポーツ観戦のような興奮である。映画の大部分を占める武闘シーンの為にアクターたちは、撮影開始の三ヶ月前にニュージーランドに到着し、集中トレーニングを受けたそうだ。この周到な準備と緻密なプラン、そして監督の作品の映像化に対する情熱と執念、バイタリティーと天才的な統率力が、上映時間9時間という長大なフィルムの完成に至ったのではあるまいか。

午後4時より開始したピクニックは、3時間の映画鑑賞を含めて6時間余の長丁場となり、途中、ウトウトと船を漕ぐ方、ぐっすりと熟睡する方もちらほら。皆さん、長い間、ご苦労様でした。お陰様で素敵なラヴィニアの宵となりました。夜の帳が下り、しめやかな虫の声を背にそれぞれ家路へと向かう。

“May It Be”

May it be an evening star
Shines down upon you
May it be when darkness falls
Your heart will be true
You walk a lonely road
Oh! How far you are from home

Mornie utulie
Believe and you will find your way
Mornie alantie
A promise lives within you now

(Theme song from “The Fellowship” ) Songwriters by Enya/Roman Ryan

 

 

追記

 

 

 

 

 

実は、翌日のパビリオンのチケットを譲り受け、二日連続でラヴィニアへ。期せずして第3部の”The Return of The King”を視聴することができました。

 

 

 

パビリオンで 聴いたシカゴシンフォニーオーケストラの演奏は、前日 、芝生の上でサウンドトラックとして耳に流れていた時よりも格段に素晴らしく臨場感がありました。100人近い混声合唱団、児童合唱団、ソリストのソプラノの声も美しく、ライブコンサートの醍醐味と映画との一体感を味わうことができました。

ラヴィニア•フェスティバルにおいて、CSOとのコラボレーション、Video Screen on Lawnシリーズは、手元の資料によると、2011年8月18(木)と19(金)の”The Fellowship of The Ring”が始まりのようです。以下、ご参考までに過去の映画上映とCSOライブ演奏をリストアップします:

 

2016  7/29(金)30(土) Titanic

2015  8/16(日)      Star Trek

2014  7/17(木)18    (金)      West Side Story

2014  8/07(木)  08(金)      The Return of The King

2013  8/15(木)16 (金) Two Towers

2011  8/18(木)19  (金)      The Fellowship of The Rings

 

2011年、13年、14年と一作ずつ上映された”The Lord of The Rings”ですが、今年は一気に3日連続で完全上映。この映画への根強いファンの存在を語っているようです。

さて、来年2018年は。。。?